旅行としての野宿徒歩旅行
私のこの二度に渡る挑戦は徒歩による旅行でもありました。また、一人旅でもあったので、通常の旅行にはないことが様々に経験できたように思います。
そのなかで最も印象に残っているのは人との出会いです。私の方から声を掛けたりすることはあまりありませんでしたが、旅行中は実に多くの方達から声を掛けられたように記憶しています。
そのなかでも一番多かったのは、大きなリュックを背負って一人で歩いている私を助けてくれようとするものでした。たまたま私の傍らを通り過ぎて行った車が少し先で停車して私を待ってくれ、車に同乗させてくれる旨を申し出てくれたことは一度や二度ではありませんでした。皆さんがこの先の山道の険しいことを教えて下さり、それを越えるまで送って行って下さると言ってくれました。私が旅の目的を話して丁重にお断りすると、応援の言葉をかけてくれました。
また、自宅に泊まるように声を掛けて下さった方もいました。四国は四国遍路の伝統があるからでしょうか。一度は実際に泊めて頂きました。既に深夜のことでしたが、私のために軽食と温かいお風呂を用意して下さいました。
私と同じような旅人と出会うこともありました。四国遍路の方に出会うことはありませんでしたが、自転車旅行の人やバイクのツーリングの方と出会い、時には野宿の場所を共有することもありました。休憩や野宿のときのことでしたので、そうした方達からいろいろと旅のお話を聞かせてもらいました。
私は駅で仮眠することが多かったので、そこで地元の方とお話しすることもありました。高齢の方たちは旅人にとても親切で、丁寧な言葉づかいで話しかけて頂いたことをよく覚えています。また、山中のさびしい駅ではそこでの暮らしぶりについてお話していただいたこともありました。
必ずしもここに書いたような良い出会いばかりでもありませんでしたが、それから十数年たった現在ではすべての出会いが懐かしい思い出となっています。また、いつか同様の旅行をしたいと思います。